もくじ
はじめに
妊娠検査薬で陽性になって病院を受診していたら、「妊娠2ヶ月ですよ。」とは言われないかな、「妊娠5週とか6週です。」とか言われるんじゃないかと思います。妊娠5週・6週は「妊娠2ヶ月」と同じです。「彼女と付き合ってまだ1ヶ月なのに妊娠2ヶ月と言われて彼氏が怒った」なんて話がSNSでありましたが(真偽不明)、これは大いにある出来事なんです。そもそも妊娠週数はどうやって数えるのでしょう。今日はそんなお話と、少しコラムを準備しました。

妊娠週数の数え方
妊娠したかも、で受診すると必ず聞かれることがあります。それは「最後の生理は何月何日に始まりましたか?」、つまり最終月経開始日です。
妊娠期間の定義は、
・最終月経開始日から起算して考える。
・正常妊娠持続日数は280日とする。
(分娩予定日は満280日=妊娠40週0日)
・7日を1週と定め、妊娠持続を40週とする。(7日×40週=280日)
・28日を妊娠歴の1ヶ月を定め、妊娠持続を10ヶ月とする。
*日本では月数を「数え」を使いますので、妊娠0カ月と言う表現はありません。
妊娠区分・妊娠月数・週数一覧
妊娠区分 | 妊娠月数 | 妊娠週数 | 備考 | |
流産 | 妊娠初期 | 第1月 | 0 | 0週0日=最終月経開始日 |
1 | ||||
2 | ||||
3 | ||||
第2月 | 4 | |||
5 | ||||
6 | ||||
7 | ||||
第3月 | 8 | |||
9 | ||||
10 | ||||
11 | ||||
第4月 | 12 | |||
13 | ||||
14 | ||||
15 | ||||
妊娠中期 | 第5月 | 16 | ||
17 | ||||
18 | ||||
19 | ||||
第6月 | 20 | |||
21 | ||||
早産 | 22 | |||
23 | ||||
第7月 | 24 | |||
25 | ||||
26 | ||||
27 | ||||
妊娠末期 | 第8月 | 28 | ||
29 | ||||
30 | ||||
31 | ||||
第9月 | 32 | |||
33 | ||||
34 | ||||
35 | ||||
第10月 | 36 | |||
正期産 | 37 | |||
38 | ||||
39 | ||||
第11月 | 40 | 40週0日=分娩予定日 | ||
41 | ||||
過期産 | 42 | |||
43 |
最終月経開始日から数えるで、まだ排卵していない妊娠0週と妊娠1週は妊娠していないことになります。ですから、はじめにでお話した「彼氏と付き合って1ヶ月なのに妊娠2ヶ月」は妊娠2週0日(排卵日と推定)に性交渉すれば2〜3週間(妊娠4〜5週)で妊娠反応がでるから、あり得る話なのです。
妊娠を望んでいなかったら、ちゃんと避妊しましょう。
膣外射精は「無意味レベル」の避妊法です!
そして、前にもお伝えしましたが、実際の排卵日と誤差があることがあります。そのため、月経不順の女性の場合は、最終月経開始から起算した妊娠週数では、胎児の発育にズレが生じる場合があります。そのため、日本では(最終月経から計算した)妊娠8〜11週頃に女性のお腹の中の赤ちゃんの大きさ(頭殿長:CRL)というものを測定し、予定日を修正することがあります。妊娠検査薬で陽性が出ても、赤ちゃんの袋(胎嚢)が見えない、という場合も、もしかしたらこの妊娠週数のズレということも考えられるのです。
なお、不妊治療で排卵日がわかっている場合は、排卵日から起算して数えて考え、正常妊娠持続日数(280–14=)266日で計算します。
なぜ妊娠週数(分娩予定日)を知る必要があるのか。

もし、予定日が不正確だと、その後の赤ちゃんの成長が順調であるか、流産や早産、正機産、予定日超過による分娩誘発の決定など正しい判断ができないからです。未受診妊婦さんだと正確な週数がわからず、実際に産まれた赤ちゃん成長発達と、妊娠週数に誤差が生じた事例もありました。
赤ちゃんの体や神経の発達は妊娠37〜40週までにゆっくり時間をかけて体を作り、成長させていきます。流産とは妊娠21週6日までの妊娠の中断を言います。この日までに産まれてしまった赤ちゃんは成長が不十分なため、胎外生活が不可能と言われています。妊娠22週0日〜妊娠36週6日までの妊娠の中断は、早産と言います。NICU(新生児集中治療室)管理下で胎外生活は可能とは言われていますが、妊娠21週6日と妊娠22週0日に大きさ差はないです。言葉の定義としてそう定められ散るだけで、妊娠22週0日に生まれることもかなり厳しいのです。週数が後半になれば赤ちゃんの成長発達が進んでいるので、環境や呼吸、栄養の助けがあれば生存でき、段々と自分でその力を身につけていきます。私の姪っ子は妊娠34週(妊娠9ヶ月)で産まれましたが、今は元気な小学生です。
産まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠初期の産婦人科受診は大切なことなので、受診をしましょう。
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