「母乳を捨てるフランス人へその緒に無関心なアメリカ人」を読んで

はじめに

今回は読んで面白かった本を紹介します。なぜこの本を読もうと思ったのか。
それは、ただの偶然です(笑)
某県立図書館で出産・育児の本の前に立ったら、この本がディスプレイされていたので、ちょっと気になって借りて読んでみました。
日本のお産事情しか知らなかったので、海外ってこんな感じなんや〜とか、出産一時金が海外でも適応されるってどういうこと?とかちょっと調べるきっかけになったので、ここで書かせてもらいます。妊婦健診のことも書いてあって、ここ最近の妊婦健診の情報を書いていたので比べてみるといいかもしれません。

妊婦で徳を積むスリランカ人

スリランカの人口の半分が仏教徒のスリランカ。
その中の教えに

「他人に善行を施すと自分にも返ってくる」

というものがあるんらしく。
ん?その話、どっかで聞いたことあるぞ?と思っていたら、

そうそう、これです。岸田ひろ実さん、奈美さん親子の記事です。
同じく仏教徒が多いミャンマーで下半身麻痺で車椅子のひろ実さんを多くの人がサポートしてくれた話を娘の奈美さんがnoteで書かれていました。
そしてさっきTwitter見たら、

日本の僧侶の皆様も徳を積んでおられました。

なお、紹介した本の中では、

妊婦に善行を施した場合、お腹の赤ちゃんもカウントされるためダブルポイントゲットチャンスなんだそうです。

そのため妊婦には優しいんだとか。ということは、
ミャンマーでも妊婦は優しく扱われるんでしょうかね。
レストランでもお子さんをウェイター、厨房の人、駐車場の人が交代してあやしてくれた話があり、スリランカは人がやさしい国のようです。

なお、某来年オリンピックが開催される都市では、妊娠していた友人が

「妊婦の私が電車に乗ってきたら座っているおっさんが一斉に居眠りを始める。」

と言っていたので、国の施策として徳積む制度始めた方がいいと思います。

産後が優しい韓国・台湾

この本の中では、韓国や台湾で出産した人の話が載っていました。
韓国では、自然分娩は2泊3日で退院した後、産後処理院というところに平均2週間滞在するそうです。
台湾では、自然分娩なら入院は3日まで、その後は「坐月子(ズオユエズ)中心」という産後ママのケアセンターに1ヶ月滞在するそうです。「坐月子」というのは、産後1カ月間くらいの期間に母親がしっかりじっくり静養するとする中華圏での習慣なんだそう。
中国(上海)で出産された方の方には書かれていませんでしたが、お手伝いさんを雇った話があるので同じようにゆっくり静養されていたのかもしれません。
台湾では上の子がいるのにそんなセンターに滞在できないって人は、坐月子専門の宅配サービスを利用するんだそうです。

日本人で、お金がかかるからと産後ケアのサービスなかなか浸透しない印象。
私は「ママたちの静養」ってお金払う価値は大いにあると思いますので、こんな産後ケアサービス浸透してほしいと願ってます。
夜も授乳して睡眠時間削られて5日とか6日で「もう育児できるよね」で放り投げる日本、ちょっと厳しすぎないか、と。

NICUとかGCUに赤ちゃん入院した方が手厚く教えてくれるよね、って働いて思います。毎日お母さん、通うのも大変ですけど。

母乳を捨てるフランス人

これは本のタイトルにもなっているのだが、フランス人は母乳をあげないらしい。じゃあ何をあげるのか、人工乳(ミルク)なんだそうです。

なんてもったいない(笑)

なんでも理由が「おっぱいのカタチが崩れるから嫌」だそうで。
美意識高すぎ、フランス人。それでも最近は母乳に対しては見直されているんだそうです。母乳を与えないなら月経再開も早いだろうし、それなら出生率も上がるでしょうね。あと、働いているなら人工乳の方が便利ではあるけど、、、。

私が日本人だからか、、、

やっぱりもったいない。(笑)

デンマークは褥婦を帰らせるのが早すぎる

デンマークは福祉国家で税金は日本より断然高いですが、医療費、出産費用は無料なんですと。ですが、

経産婦は産後5時間で退院させられるんだそう・苦笑

初産婦は病院併設のホテルで4日ほど過ごせるらしいです。

「え?こわ!」の一言。

もちろん出血が多いなど異常がある場合は残されるでしょうけど、
私がみた症例で、経産婦で急激な進行で出産した方が、産後2時間までは問題なかったんですけど、6時間くらい経過したら出血多量で処置が行われたことがあるんですよ。それはまれな症例だけど、そういう怖さがあるから、、、

うん、いくら無料でも日本で産もう、と思いました(笑)

オーストラリア人の離乳食が笑えた

オーストラリアの出産の話は結構よかったな〜と思いました。
帝王切開で出産している方が、陣痛を一度経験してみたかったというと、陣痛を一通り経験した後に帝王切開した話。(もともと、この方は子宮口が開きにくく、オーストラリアでも帝王切開は提案されていた。)

そんないい話も、ある一文で吹っ飛んだしまいました。
それは取材を受けた人がオーストラリア人を分析した話です。

「ビーガンをはじめ自然派を好む、いわゆるヒッピー系の人達とジャンクフード大好き派など、好みが極端な人が多いような気がしますね。中には離乳食だと言いながら、マクドナ●ドのミルクシェイクをあげている人もいましたし。

マク●のシェイクを離乳食に、という発想がなかった。(笑)

聞いたことがなくて、これがいいのか悪いのかもわからないですね〜。
ただシェイクが離乳食なら、きっとフライドポテトは野菜で「野菜はちゃんと摂っています!」とか言われそう。間違ってはいないけど、偏ってる。

臍の緒を捨てるアメリカ人

ってタイトルにはありますけど、日本以外で臍の緒を残す習慣ある国、ありますかね?
海外の方に説明するときは、「Japanese traditional」ってもう私言っちゃってます。

どこかアジア圏の国の人が胎盤を家の下に埋めないといけないから持って帰りたい、とか言い出した話は聞いたことあります。(もちろんダメと言われた)
胎盤は、病理組織など検査のために冷蔵庫で保存していることもありますが、基本は医療廃棄物なので、指定業者に渡し、業者が処理をします。
「食べる」話も聞いていますが、、、聞かなかったことにしています(笑)

日本では「臍の緒の紛失」はアクシデント扱い。裁判沙汰になりかけた話もあります。
NICUは長期入院が多いので、入院中に臍の緒が取れることがありますが、小さくてうんちに紛れ無くなってしまうことも。ですが、臍の緒が無くなったら、ゴミ箱やおむつが入ったゴミ袋を開けて探すという大騒動になったことがあります。

臍の尾を10cmくらい長く切る(これなら、臍の緒が取れても紛失にしくいかららしい)対策をしている病院もあったり、臍の緒ってだいたい50cmくらいありますから、赤ちゃんについているお臍とは別に、臍帯を切ってプルップルのまだ乾いていない臍の緒を桐箱に入れて「もう渡しましたからね!」としているところもあります。

ですが30年以上経ち、実家のタンスの中で真っ黒にカビた自分の臍の緒みても、その習慣に意味がないように思えます。

赤ちゃんが亡くなったりした人はまた話が別ですが。

日本の出産育児一時金が使える?

読んでいて気になったのは、日本の健康保険の出産一時金を使っている人がちらほらと。償還払い(一度自分で支払って、後で申請してお金が戻ってくること)のようです。病院で、外国人の方が出産されることは時々ありますし、外国人が保険会社に嘘の申告(海外で妻が三つ子を産んだ・笑)をして不正に出産一時期金を受給していた事件もありましたので日本では、日本人に出産一時金が使えるというわけではなく、日本の健康保険に加入していれば使える、ようなのです。

Wikipediaによりますと、

出産育児一時金(しゅっさんいくじいちじきん)とは、健康保険法等を根拠に、日本の公的医療保険健康保険共済組合船員保険国民健康保険等)の被保険者が出産したときに支給される手当金(金銭給付)である。1994年(平成6年)の健康保険法等の改正により、それまでの「分娩費」と「育児手当金」とを統合する形で新たに設けられた。

んで、被保険者が出産した時に支給されるのは「出産育児一時金」、
被扶養者(配偶者)が出産した時に支給されるのは「家族出産家族育児一時金」として支給されます。(同じ金額です。)

1年以上被保険者であった者は、被保険者の資格喪失後6月以内に出産した場合であっても同額が支給される(第106条)。ただし出産予定日ではなく実際の出産日が「6月以内」の期間内でなければならない。
また、被保険者の資格喪失後にその被扶養者だった家族が出産しても、家族出産育児一時金は支給されない。

ので、出産育児一時金がもらえた方々は被保険者であるか、被保険者であったが資格喪失後6ヶ月以内に出産したということなのでしょうか。むむむ。
あまり書いても責任が取れませんので、その際は保険会社に尋ねた方が良いでしょう。

ただ、海外にも民間保険があり、出産に対応している対応していない保険があるようです。ですからそこも確認した方がいいみたいですね。

終わりに

ここまで私の感想を述べてきました。いかがだったでしょうか。

いろんな国の出産事情を読んで、私が思ったのは、

産むなら日本。

ですね。理由は、公費負担があることで妊婦健診の内容の充実と出産育児一時金による直接支払い制度です!つまり経済的理由!(笑)

10年くらい前までは出産育児一時金は妊婦が申請して妊婦に送られていたんですけど、まぁ、お金ない人は、出産前に使っちゃいますね。だから、お金のトラブルも時々ありました。直接支払い制度になったことで、出産一時金で足りない部分を請求する形になったんですよね。高額医療の限度額申請も帝王切開とか保険適応なら使えますし。

あとは、日本語が通じること。
やっぱり周りが何言っているかわからないと不安になりますね。
ということは、きっと日本で出産される外国人も同じように不安を持っているんだと思います。

ですが、育児するなら他の国がいいなぁと思いました。
ホント、台湾の坐月子いいなぁ。読んでいると海外の男性や周囲の育児に対する考え方も違いますし。日本の産婦人科医療は最先端をいっていますが、妊娠・出産・育児への支援体制はまだ伸びしろがありそうです。

もし気になったら、買っていただくか、図書館で借りて読んでみてください。
図書館いろんな本があるし、無料で本読み放題なので楽しいですよ〜。
私は11月28日までには返します!

あと、誤植があったので書いときます。
借りた本が第1刷なので以降で直されていたらいいんですけど。
「保険師」じゃなくて「保健師(Public Health Nurse)」です。
「人口破水」じゃなくて「人工破水」、正確には「人工破膜」です。

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